ビジネスを中心に、人と関わる様々な場面で必要とされる「質問力」。
「質問する力」や「問いを立てる力」は、若手からマネージャー、さらには経営者まで、多くのビジネスパーソンに役立つスキルです。
今回は「質問力」を身につけるメリットと、自分で鍛える方法をご紹介します!

「質問」「質問力」とは?

「質問」というと、1つの答えを導き出すためのものというイメージはありませんか?しかし、「質問」は1つの答えを出す以外に、様々な視点を得るうえでも有効です。そこで重要となるのが、あらゆる観点から「質問」を考え、問題発見ができる「質問力」。場面に応じてよい質問(=よい問い)を立てられることは、事象に隠れた根本的な問題を見つける「問題発見」でも役立ってくれるのです。

「質問力」がビジネスシーンで役立つ理由

「質問力」が求められる大きな理由として、「ビジネスには既存の正解がない場面が多いため」というのがあります。
例えば、売上アップや事業拡大の施策・アイデアを考える会議。このような場面では、1つの正解はなく、いろいろな観点で自ら解決策を考えていく必要があります。
だからこそ「売上が落ちた原因は?」「最近の市場状況は?」といった質問を立てる力が求められる、というわけです。

「質問力」は高いレベルの仕事に必要不可欠!

認識違いを防ぎ、相手に満足してもらう仕事をするうえでも、質問力はとても重要。
資料作成という仕事1つをとっても、「何のためですか?」「どんな方に見てもらう資料ですか?」といった質問ができるかどうかで、仕事のレベルは違ってきます。

質問力を鍛えるメリット3つ

続いて、質問力を高めることによる3つのメリットを見ていきましょう。

質問力のメリット①あらゆる可能性を探り、問題解決ができる

質問力を鍛えるメリット1つ目は、あらゆる可能性を探れること。
売上ダウンの打開策にしても、新規事業のアイデアにしても、質問力を鍛えて問いを立てることができれば、複数の視点から問題を捉えることが可能になります。
「売り上げダウンの原因は『新規顧客の獲得率』ではなかった…!」なんて、誤った認識が発覚するケースもあるでしょう。

質問力のメリット②本質的な問題に気づける

例えば、「事業拡大の対策案」を考える場面を想定してみましょう。

ここで「現在の事業にどんなニーズがあるのか?」という質問を立てると、そもそも事業にニーズがない、など本質的な課題を見つけることができます。

このように、表面的な対処ではなく、根本的な問題を見つけて解決できるのも、質問力を鍛えるメリットです。

メリット③上司に信頼される・自立した部下を育てられる

3つめのメリットは、上司・部下でそれぞれ異なります。

部下などの若手が質問力を鍛えるメリットは、高い目線で課題やタスクを捉えることができること。同時に、上司の信頼を得られます。

一方で上司が質問力を鍛えるメリットは、自立した部下を育てられること。 部下への命令口調での指示を辞める代わりに質問することで、部下は自分で考え、主体的に動いてくれるようになります。

質問力を鍛えるトレーニング法と活用法5選!

弊社クエスチョンサークルがおすすめする質問力を鍛えるトレーニング法をご紹介します!トレーニング法には、自分1人で実践するタイプと、チームで実践するタイプの2つがあります。

自分で質問力を上げるなら「問いの100本ノック」

「問いの100本ノック」とは、1つのテーマに対する質問(疑問や問い)を100個あげる、というトレーニング。
枠にとらわれず、気になることや誰かに聞きたいことを、紙やスマホのメモにひたすらアウトプットしていきましょう!ひたすら質問を出すうち、いろいろな観点で物事を捉えやすくなります。

チームで質問力を上げるなら「クエスチョンストーミング」

クエスチョンストーミングは、一言でいえば問いの100本ノックのチーム版。ブレインストーミングの「アイディア」ではなく「質問」を出していくイメージです。

部署などのチームで1つのテーマを設定し、10分程度の時間制限をもうけて、ひたすら質問を出していきます。

もしテーマが新商品なら、「市場の状況は?」「ターゲットは?」「パッケージは?」のように、自由に質問を挙げていきます。

質問力を鍛えるトレーニングの活用法5選!

◆活用法①アイデア出しや課題解決

質問力を鍛えるトレーニングは、さまざまなアイデア・課題解決策が欲しいときに有効です。

商品開発、新規事業立ち上げを検討しているときにチームで取り組めば、多面的な問いかけによって視野が広がり、思わぬアイデアが出てくることも。

◆活用法②営業活動

売り込みに必死で、つい自社製品・サービスの話ばかりしがちな営業トーク。

しかし、それは打ち合わせで顧客が本当に求めていることなのでしょうか?

打ち合わせ前までに問いの100本ノックをしておけば、トークの幅が広がるうえ、相手のニーズにあった情報を考えて提供できます。

◆活用法③職場の人間関係の改善

組織や個人が抱える課題をテーマに質問するトレーニングにチームで取り組めば、職場の人間関係の改善にも役立ちます。

自分で考えることを通して得た気づきは、自発的な行動に繋がりやすいのが特徴。部下のマネジメント・育成にも効果的です。

活用法④就職・転職時のキャリアの棚卸し

問いの100本ノックは、転職における自己分析にもぴったり。

自分への質問を重ねていくことで、これまでのキャリアを棚卸しをしながら、転職理由を明確にすることができます。

◆活用法⑤家族関係・恋愛関係への応用

質問力を鍛えることは、仕事に限らずプライベートにも活用が可能。

夫婦関係や親子関係を改善したいときにも、「問い」を立てることからスタートしてみましょう。

「どのような関係が望ましいか?」「いつから問題を感じるようになったんだろう?」と考えることで、思考を深めることができます。

「いい質問」のコツを解説!

「いい質問」をするには、相手を尊重しながら、場面に応じてさまざまな質問を投げかけられる力が必要になってきます。

「いい質問」を生み出すためにも、質問のフレームを抑えておきましょう。

いい質問のコツ①オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン

質問は、上記のように「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」に分けることができます。

YES/NOで回答できたり、答えが限定的な「クローズドクエスチョン」は、回答しやすいため、初対面の人との会話や、最初の段階での質問に有効だとされています。
一方で、物事を深く探求したり、視野を広げるときには、「オープンクエスチョン」が有効です。

いい質問のコツ②時間軸と空間軸

視野を広げたいときには、時間軸と空間軸という切り口で質問を考える方法があります。

「過去の事例はどうだったかな?」「今後はどうなるんだろう?」と時間軸をずらしたり、「自分の部署ではなく、営業チームの課題は?」「お客さんにとってのメリットは?」と空間軸をずらして考えると、別の視点やアイデアが生まれやすくなります。

いい質問のコツ③ジョハリの窓

「ジョハリの窓」とは、心理学で自己分析に使われる考え方の1つ。4つの枠を通して、自己理解と対人関係の見直しができます。

この考え方は、質問力にも活きてきます。

例えば、新しい知見や気づきを得たいときには、表の右下にある「閉ざされた窓」を意識した質問を心がけましょう。

気をつけたい「悪い質問」は?

【NGな質問の特徴】
・誘導尋問のように詰問する
・自分のなかで「絶対的な正解」を持つ
・長文で質問する

相手に質問する際には、上記のような傾向に要注意!

相手を尊重して考える余地を与えるには、誘導尋問をしたり、自分の中で絶対的な正解を持つのは避けるのが鉄則です。

また、質問が長文になっている場合は、質問のつもりが「自分の意見」になってしまっているケースも少なくありません。簡潔に問いかけるよう意識しましょう。

質問力を高めるおすすめ本3冊!

最後に、質問力を高めたい人におすすめの本3冊を紹介します。

①あなたの話はなぜ「通じない」のか /山田 ズーニー(著)

あなたの話はなぜ「通じない」のか /山田 ズーニー(著)

話す・書くといったコミュニケーションにおいて、どう考え、どう伝えるかを丁寧に解説している1冊。
そのなかで筆者は、考えるスタートは「問い」の発見だと語ります。
「問い」をどう発見し、活用していけばよいかが述べられていて、コミュニケーション力を高めたい人はもちろん、質問力を高めたい人にもおすすめです。

②問いこそが答えだ! 正しく問う力が仕事と人生の視界を開く/ハル・グレガーセン (著)黒輪 篤嗣(訳)

問いこそが答えだ! 正しく問う力が仕事と人生の視界を開く/ハル・グレガーセン (著)黒輪 篤嗣(訳)

『正しい答えを手にするための鍵は、正しい問いにある』とし、問いの重要性とその活用法を解き明かしてくれる本。
職場や家庭において状況を打破する問いの効能、問いを生み出す環境やテクニックが紹介されていて、問いを体系的に知る最初の1冊としてもぴったりです。

質問力も高めて、可能性を広げよう!

ビジネスに限らず、日常生活のさまざまな局面で効力を発揮してくれる質問力(=問いを立てる力)。自分では見過ごしていたような「気づき」によって、新たな視点を与えてくれるのが魅力です。

「絶対的な正解」がないと言われる今の時代、仕事やプライベートで自身の可能性を広げるためにも、ぜひ質問力を鍛えてみては?