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オープンスペーステクノロジー(OST)の手順・原則は?効果もわかりやすく解説

 2020.09.20
 

「オープンスペーステクノロジー(OST)」という対話手法をご存知ですか?
 
「ワールドカフェ」などと並べられるOSTは、認知度はまだ低いものの、チームの自己組織化にも一役買ってくれる、知る人ぞ知る効果的なワーク手法です。
 
今回は、そんなOSTの手順や原則、さらにワークを通して期待できる効果をご紹介します!

 

 
 

オープンスペーステクノロジー(OST)とは?

  
オープンスペーステクノロジー(OST)とは、組織開発コンサルタントで写真家でもあるハリソン・オーエン氏によって開発されたワークショップ手法です。
 
OSTのキーワードは、「自主性」。
 
参加者が議論したい課題や探求したいテーマを自主的に提案して、それに賛同する人との対話によってプロジェクトを生み出していくのが特徴です。
 
 

オープンスペーステクノロジー(OST)の手順

 
オープンスペーステクノロジー(OST)の手順は、次の通りです。
 
 

①オープニング(約15分)

 
まずは全員で集まり、OSTの原則や流れを確認します。
 
※OSTにおける「4つの原則」については、後ほど解説します
 
 

②分科会テーマの提案(約20分)

 
続いて分科会テーマの提案では、メンバー自身でテーマを自由に提案します。
 
例えば、大きなテーマが「組織の活性化」であれば、「入社動機やワークモチベーション」「組織が活性化するとどんな変化が生まれるか?」「管理職に求められるマインドやスキル」など、それぞれが話し合いたいテーマや問いを提案します。
 
そして、提案したいテーマと自身の名前を書いて掲示板などのボードに貼りつけていきます。
 
 

③マーケットプレイス(約20分)

 
続くマーケットプレイスでは、提案されたいくつかのテーマを見ながら、参加者がどの分科会に参加するかを検討・決定します。
 
もし似たテーマがある場合には、1つにまとめることもあります。そういったアレンジも、参加者の自由な話し合いによって決定されます。
 
なお、自分が提案したテーマには、自身がリーダーとして参加する必要があります。
 
 

④分科会(約90分)

 
分科会では、1セッション30〜45分程度の対話を、挙げられたテーマ数によって複数回おこないます。
 
ここで大きな特徴となるのが、参加者が分科会を自由に移動できること。
 
セッションの最中でも、もし「チームに貢献できていない」「テーマや議論が面白くない」などと感じたら、参加者は別の分科会へ移動することができます。
 
このように、OSTでは、対話への参加方法や貢献のあり方も参加者に委ねられています。
 
 

⑤プロジェクトテーマの提案(約20分)

 
プロジェクトテーマの提案では、これまでの分科会での対話をもとに、「どんなことをやっていきたいか?」というアクションプランを生み出します。
 
例えば、「質の高い1on1ミーティングを実施するには?」「知識・スキルをシェアする場づくり」といったアイデアに落とし込み、提案します。
 
 

⑥アクションチームの編成(約20分)

 
プロジェクトテーマの提案を受けて、1チーム3〜5名程度のアクションチームを編成します。
 
ここでも、必ずしもいずれかのテーマを選ばなくてはならない、ということはありません。自分自身の問題としてコミットできるテーマを選ぶことが重要です。
 
 

オープンスペーステクノロジーの原則

 
オープンスペーステクノロジー(OST)には、次の4つの原則があります。
 

【オープンスペーステクノロジーの原則】
①ここにやってきた人は、誰でも適任者である
②何が起ころうと、それは起こるべき唯一のことである
③いつ始まろうと、始まったときが適切なときである
④いつ終わろうと、終わったときが終わりのときである

 
OSTの参加者は役職や肩書き関係なく、誰もが「適任者」。
 
また、始まりや終わりのタイミングにもこだわる必要がなく、想定外のことが起きても受け入れることを原則としています。
 
すなわち、逆に言えば気をつけるべきは「4つの原則」のみ。ワークは基本的に「今ここにいる皆さんで全て決めてください」というスタイルで進められます。
 
そんなスタイルを象徴するのが、分科会で見られる「移動性の法則」です。
 

 
「ハチ」のように分科会をまたぐように移動してアイデアの交配を手助けする人もいれば、「チョウ」のように止まって休憩するうちに新たなテーマに発展させる人もいて良いとするのが、オープンスペーステクノロジーの特徴。
 
分科会のテーマ選びだけでなく、対話における貢献の仕方も参加者の自由となっています。
 
 

オープンスペーステクノロジー(OST)で期待できる効果

 
最後に、オープンスペーステクノロジー(OST)で期待できる効果をご紹介します。
 
ビジネスシーンでOSTを取り入れることで、次のような効果が期待できます。
 
①ボトムアップのカルチャーの形成
②チームの自己組織化
③権限に頼らないリーダーシップの育成
 
順番に見ていきましょう。
 
 

①ボトムアップのカルチャーの形成

 
たとえ社風がトップダウン型だとしても、OSTでは関係ありません。
 
ワークでは上司・部下関係なく、自ら手を挙げた人がリーダー、それに賛同した人がフォロワーとなってチームを作り、対話が進んでいきます。
 
そういった意味で、トップダウン型からボトムアップ型の組織への転換のきっかけとなります。
 
 

②チームの自己組織化

 
OSTは、自走するチームづくりにも役立ちます。
 
というのも、OSTでは、メンバーの自発的な参加や他者との協働、チームの自治的な運営が求められます。
 
その結果、当事者意識を持ってテーマに取り組むことができ、チームの自己組織化にも繋がるのです。
 
 

③権限に頼らないリーダーシップの育成

 
さらに、リーダーシップの育成にも効果を発揮してくれます。
 
OSTでは、役職や肩書きは一切関係ないため、態度や姿勢でリーダーシップを発揮する必要があります。
 
そのため、対話において共感性でメンバーの自発性を引き出すなど、権限に頼らないリーダーシップを実践的に高めていくことができるのです。
 
 

オープンスペーステクノロジー(OST)を活用しよう

 
自由な対話形式で意見やアイデアが出やすいだけでなく、ボトムアップのカルチャーの形成や、チームの自己組織化にも役立つ「オープンスペーステクノロジー(OST)」。
 
これを参考に、ぜひ社内で活用してみてはいかがでしょうか?