HOME | 導入事例|三光製作株式会社

【導入事例】三光製作株式会社

「お互いに支援しあうことで "心のチームワーク" が出来はじめた」

 

 

 
昭和28年創業のメッキ加工会社である三光製作株式会社は、2020年よりクエスチョンサークルを導入されています。今回は専務取締役の山岸伸二様に、導入当時の組織の課題感や、導入後に感じた効果について、弊社代表の宮本寿がお話を伺いました。
 

クエスチョンサークル導入前から「質問」にフォーカスした取り組みを実施

 
宮本:まずは、三光製作の事業について教えていただけますか?
 
山岸様:当社は、めっき加工を施す事業を行っており、対象はオートバイや車、半導体部品や光学機器、さらには医療機器・住宅設備等と多岐に渡ります。2011年にベトナムにも会社を設立し、昨年(2020年)には、静岡市にある吉田鍍金工業所をグループ会社にむかえ、現在は、グループ全体で180名ほどの従業員が働いています。私の兄が3代目の社長を務めており、2001年に私も三光製作に入社しました。

 
 

宮本:クエスチョンサークルを導入される前から、「質問」にフォーカスした取り組みを社内で行なっていらしたそうですが?
 
山岸様:そうなんです。5年ほど前から新入社員の最初のオリエンテーションで、会社の考え方やビジョン、全社活動などの説明をしているのですが、こちらが一方的に説明をしても、今一つ相手に伝わっている感じがしなかったんです。あの手この手と伝え方の工夫もしたのですが、何か物足りなさを感じていました。
 
説明方法をあれこれ考えているうちに、新入社員が入社して最初に興味が湧くことは一体なんだろうか?という問いに行き着きました。そこで、新入社員に次回のオリエンテーションまでに、質問を30個考えてきてもらうことにしました。

そして次のオリエンテーションで、用意してもらった質問を投げかけてもらったところ、そもそも私が説明しようと思っていた事にリンクする話が結構出てきました。しかも、自分の興味があることがトリガーとなっていますから、当然、しっかり聞こうとしますよね。その結果、かなり双方向のコミュニケーションが進み、私が一方的に話をするより全然いいなと思ったんです。
 
こちらからの説明と新入社員からの質問とを上手くミックスしながらオリエンテーションのプログラムを進めていく事により、今まで行ってきたオリエンテーションよりも新入社員との距離がより早く縮まり、より深い人間関係構築が進むと確信できました。それ以降、同じことを新入社員に次々と試しています。
 

 
宮本:「質問」が良いコミュニケーションツールとなったんですね。
 
山岸様:新入社員にとってみれば、働く環境も、一緒に働くメンバーも初めてですごく緊張していると思います。しかも、必ずしも話しかけることが得意な人ばかりではない。質問は、そんな空気を和ませる力があると思います。関心があることなら、なんでもいいですし、誰に対してでもいいんです。社長でも、他部署の先輩でも。
 
質問してもらうと、新入社員が何を知りたいか?がはっきりするため「教えてあげよう」という気になるのか、先輩社員の後輩育成にも繋がっていきました。
 
私が、三光製作に入社した当時は、典型的な町工場という感じで、職人が黙々と仕事をし、言葉よりも背中をみて覚えろよという雰囲気でした。もちろん職人気質もとても大切なものなのですが、時代が進むにつれて一人で完結する仕事は減っていき、逆にチームで物事を考える必要性が増えていきました。そこで、コミュニケーションを学ぶ社内勉強会として「夢工場塾」を2005年から始めました。
その後、「夢工場塾」の取り組みを通じ、挨拶をはじめとするコミュニケーション重視の社風に随分と変わってきたと思いますが、人財育成には、まだ何かが足りないとずっと考えていました。
 
私の重要な責務は「人財採用」と「人財育成」です。採用力は、私自身が学んで経験を積んでいけば、ある程度上がっていきますが、育成力は全社員が現場で磨かないとあがっていきません。そういう意味でも「質問」を使ったコミュニケーションは、一方的にならず、双方向ですごく有効だと思いました。
 
そして、2020年に新入社員のオフィシャルな教育プログラムとして「QAマラソン」を作りました。オリエンテーション期間だけではなく、半年くらいかけて現場で色んな人に500個質問をする「QA500」といった内容です。
 



宮本:500個は多いですね!どんな質問があるんでしょう?
 
山岸様:例えば、社内にいる仲間が50名だとして、漢字のフルネームを全員に聞くだけで50個の質問になります。血液型まで聞けば、100個になります。要はなんでもいいんです。人に興味がある人は、周囲の人の趣味などについて質問しますし、早速めっき技術に興味のある人は、技術を担当する先輩にかなりマニアックなことを質問したりします。とにかく自分がまず興味や関心を持った時に、すぐ聞くという事がポイントです。新人の特権を活かして。

質問とその答えは、ノートに書いてアウトプットしてもらいます。そのノートを見ると、聞く側・答える側の“人となり”がよく分かります。質問の内容によって、興味関心が分かりますし、ノートの書き方や書く字にも性格が現れます。イラストなんかも登場します。まさに、職場に慣れて、仕事を習得していく様子そのものが、現れてくるといっても過言ではないかと思います。
 
また、質問に答える側の様子も見えてきます。例えば、聞かれたことだけ答えたものや、そこから発展させた事項も一緒に応えてくれている様子など、ノートを見ると色々な気づきがありますね。そして、この試みを始めてから、新入社員も職場に溶け込みやすくなったと感じています。
 

クエスチョンサークル導入の経緯

 
宮本:そういった取り組みがある上で、クエスチョンサークルを導入しようと思われたきっかけはなんだったのでしょうか?
 
山岸様:我々は、モノづくりメーカーとして、ここ数年大きな事業内容の変革を行ってきました。下請け中心の量産型から多品種小ロットの技術提案型へシフトしたのです。さまざまな業界の顧客ニーズに応えていく必要が増えてきたため、仕事内容も随分複雑化してきました。
 
当然ですが、チームで仕事をすることで生産性を高めないと、お客様の期待に応えられないこと、コミュニケーション不足が品質や納期クレームにつながることを肌身で感じてきました。1人だけスーパーマンがいても仕事の生産性は全くあがらない状態になるのです。
 
また、技能の伝承といったモノづくりの根幹を育てていく上で、経験が長い人が必ずしも部下の育成に向いているわけではないと痛感しました。
 
そういった事業内容の変革と共に、社員一人ひとりが自分の頭で考えて行動する組織にしなければという思いが強くなってきたころに、クエスチョンサークルと出合いました。「問い」を使って相手の自走を促す支援型チームビルディングについて考えられるところが、まさにぴったりだと思いましたね。
 

 

自分事として問題を発見したり、捉える事が何より大事だと再認識

 
宮本:今回の取り組みを社内では「QA-MEET」と呼んでいますが、1期メンバーとして選ばれたのは、どんな方々だったのでしょう?
 
山岸様:初めは、現在のリーダーや次期リーダー候補から、参加メンバーを選ぼうとしたのですが、この取り組みの目的を深く考える中で、職制ではなくチームに良き雰囲気を作れる“ムードメーカーになりそうな人”を選ぶようにしました。要はセッションで“質問”を投げかけあって、“問題の本質をチームで一緒に考えられる人”を選ぶようにしたんです。これは、“リーダーを作りたい”という意識から“チーム脳を作りたい”との意識へ変化したからです。
 
今までも外部コンサルタントに社内の業務改善や意識改革などをお願いしたこともありましたが、いつもなんとなく“やらされ感”が付きまといました。当然ですが、彼らは結果にコミットしているので、自分たちのノウハウ、やり方を浸透させることに注力します。しかし、それでは“現場の考えを聞いてくれない、また新しい事をやらされる”という意識がどうしても生まれてしまいます。それでは、現場展開が進みません。
 
一方、「QA-MEET」では、自分たちで喧々諤々、問いかけあい、「自分の中に答えがある」というスタンスで、問題の本質は何かを考えるので、“やらされ感”がおきにくい。これは、自分を動機づけて自走するためには必要不可欠なことだと思います。

 
宮本:そうですね、私はよく「与えられた学びは行動に変わらない」と言っていますが、自分事としてやろうと思ったことは行動に変わりますよね。
 
山岸様:まさに、そうなんです。まず、自分事として問題を発見したり、捉える事が何よりも大事だと再認識させていただきました。
 
夢工場塾でも、議論や発表は立派にできるのですが、「その問題の本質に迫るとしり込みをしてしまう、実際の現場でコミュニケーションが進まない、決めたことが行動として現れない」ということが浮き彫りになっていました。
結局は、チーム内の社歴が長い人、声の大きい人の考えが強いので、他のメンバーの思考が停止していたのだと思います。
 
そのため、QA-MEETの取り組みを通じて、現場のコミュニケーションが活発になるとともに、社員各々の思考が、質問を通じて活発になることを期待していました。

 

 

クエスチョンサークルを通じて「心のチームワーク」が出来はじめた

宮本:第1期が終わって、一番変わったことというとどんな部分でしょうか?
 
山岸様:参画メンバーが、自分の考えに自信をもって伝えられたり、仲間を信じてチームで仕事をする行動につながっていくようになりました。そして、お互いに支援しあうことで「心のチームワーク」が出来はじめたと感じています。
 
実際、職場の雰囲気も変わりましたよ。以前に比べて、“深く共感している仲間と仕事をしているんだ”といった感じになってきているし、見えない心の部分で支え合っている感じがします。
個人プレーをする人も少なくなったような気がします。

また、弊社では“全員営業”をキーワードに掲げていますが、部署間を越えた営業と製造の連携面でも、顧客の期待に応える雰囲気が少しずつできてきていると思います。「何のために?」を共に理解した上で、遠慮せずに意見をぶつけ、チームでその目的に向かうとすごい力になりますね。
 
宮本:私からは、専務ご自身にも気づきや変化があったようにお見受けしていますが(笑)。
 
山岸様:ご指摘ありがとうございます!
実は、私自身も「今までの考えと行動の癖」が沢山あることに気づかされ、「喋りすぎ」と宮本さんにはよく言われて、「傾聴や尊重、共感」を強く意識するようになりました(笑)。ついつい答えを知っていると口を出したくなってしまうのですが、少し辛抱できるようになったと思います。
 
QA-MEETのセッションでもグランドルールになっていますが、「本人の中に答えがある」と信じて、“見守る”ことができるようになりました。そうするとメンバーが自分で考えだす。いまは、自分自身も良質な質問をたくさんして、聞き手になってあげることが大事だと思って行動しています。
 



宮本:第2期も始まっていますが、どんな様子でしょうか?
  
山岸様:更に、社内に質問文化を浸透させて、お互いに学び合うチームを作るべく、若手も入れて継続しています。「相手が関心を持っている事に関心を持つ」という社風を実現するべく、1期メンバーをもっともっと巻き込んで、お互いに興味関心事を増やしていきたいですね。実際、なかなか聞けなかった事を改めて“質問”という形で言葉にしてみて「そういう考えだったんだ!」と、新たな発見も生まれています。
 
社外研修と違って、社内セッションは、実際の仕事仲間とリアルな問題をテーマに学び合うとてもよい場なので、その延長線上で大いに問題解決にチャレンジしてほしいと思っています。
 
今取り組んでいるQA-MEETは、弊社の社是「人に優しく、仕事に厳しく」を磨くチャンスです。仕事は人間関係。“問い”の力をフル活用して、「お互いに学び合って成長するチーム」にもっともっとなりたいと強く思っています。
  
宮本:ありがとうございます。引き続き、三光製作のパートナーとして、しっかりサポートさせていただければと思います。
 
山岸様:引き続き、よろしくお願いします!
 

 

 
クエスチョンサークルでは「“問い”の力で可能性を拓く」をコンセプトに組織開発サービスを提供しています。
ご興味のある方はこちらからお問い合わせください。